クリンチがカギだった/ボクシング感想(コバレフVSウォードⅡ、他)
「The Rematch」と題された日本時間6/18(日)のメインとコメインの試合、
コバレフVSウォードⅡ、リゴンドーVSフローレスの感想を書きます。
セルゲイ・コバレフ VS アンドレ・ウォードⅡ
「ウォードTKO勝利」8R2分29秒
【とりあえず速報感想】でも述べたように、ウォード選手が勝利しました。しかも、TKOで!
・予想以上にウォードの接近戦が上手く、ボディブローのキレがハンパない!
これが試合最も印象的でした。
1R目から自分も相手も当たらないような、かなり遠めの距離で相手の強打を避けます。
しかし、それでは結局自分も当てられないから急に近づいて距離感を狂わす。この距離感を狂わすという事までは予想通りだったんですけどね。
そこから、コバレフ選手の強打を食うか?距離感狂わして最後までコントロールするか?なんて思っていたら、そのままウォード選手は接近戦を中心に勝負していくではないか!
しかもやたらとボディを打つ!
そしてまた、この左右ボディブローのキレがハンパない。
なんというか、「ドフッッ!!」ではなく「パキッッ!!」みたいな笑。
普通ドスンパンチがボディに有効なはずなんですが、早くてキレのあるパンチでも十分効かせられるんですね。これは勉強になります。
また、接近戦では有効打をほとんどもらいませんでした。
防御感がいいのと、クリンチワークの上手さではコバレフ選手より何枚も上手でした。
だから、ロープに詰められてもさっとクリンチしたり押したりしてボディ打ちに切り替えてじわじわとコバレフ選手を攻めることができました。
・ウォードのパンチは見栄えがいい
第一戦に続いて、また思いました。だからジャッジはウォード選手に付けてしまうんだと思います。
これはジャブでもボディでも思いました。
一方、コバレフ選手のパンチは強そうですが、ウォード選手のそれと比べるといまいち静かに移ります。
現に、両方のパンチが当たりそうな距離ではコバレフのジャブはかなりヒットしていました。正直、ウォード選手よりジャブの数なら多くヒットしているかもしれません。(逆にジャブしかヒットしなかったが。)
それでも、なーんとなくウォード選手のジャブの方が良い!上手い!と思ってしまいます。
これを踏まえると、ボクサーたちは一発キレのあるタイミングの良いパンチに集中して当てることがポイントを取れるコツだといえるかもしれませんね。
・トニーウィークスはローブローに甘い?
メイウェザーVSマイダナの時も思いましたが、トニー・ウィークスさんはローブローへの注意がはっきり言って甘い気がします。
今回のストップのきっかけであるボディブロー、コバレフ選手はローブローだったと批判していました。確かに、はっきりとベルトラインを打ち込んでいましたから。
とはいっても、ボクは他の多くの方の意見同様に、金的ではなくボディでコバレフ選手は効いていたと思っています。
ファウルカップ付けた方ならわかるかと思いますが、あれ結構上にずり上がってますし。
しかし、あれはレフリーによっては注意を促す人もいます。だって「ベルトラインより下」がローブローなのですから。
だからコバレフ選手の主張もわかる気はします。いつものジャッジならとってるんじゃないの?って思うから。
まあレフリーも人間ですから、ベルトライン「より」下だったかなんてあの速いパンチを瞬間に確実に見ることは不可能なんで、ボクサー自信が鍛えておくしかないってことですかね。。
・他気になったこと
まず、飯田さんウォード好きすぎますね笑。(ウォードというか技巧派?)
まあわかってたことではありますが、あそこまでポイントをウォード選手に振るとは。
ちなみに、公式ジャッジは7R時点で2-1ウォード優勢だったそうですが、2者とも67-66なのに対し飯田さんは69-61で1R以外全部S.O.G.っていうことが物語っているでしょう。
技巧派は再戦に強いですね。
もう一回戦っても80%でウォード選手が勝つでしょう。
作戦はもちろんのこと、ジャブなら多少もらっても動じなくなった精神力もウォード選手の方が上だったというですね。
キジェルモ・リゴンドー VS モイセス・フローレス
「リゴンドーKO勝利」1R終了時
これは意外な結末でした。
1Rのゴングが鳴った後も、お互いパンチを出し合いリゴンドー選手の左ショートパンチが相手の顎にカウンターでヒットし、フローレス選手が少し大げさに失神したように倒れこみました。(効いたのは確かですが失神するほどではない)
試合内容は、いつもの通り冷静に分析から始めるリゴンドー選手と、声を出しながらパンチを振り回すフローレス選手。
特に盛り上がる展開はなかったのですが、ラスト10秒の拍子木がなった後、急にパンチが交錯し始め、リゴンドー選手が右手で相手を抱えながら左を連打!
相手も負けじとパンチを出したのですがこれが間違い。自分より倍ぐらい速い拳で顎をカウンターで打ち抜かれました。
しかし、問題はこの試合の処理について。
ゴング後のパンチでKOになってしまったため、無効試合か?という雰囲気も漂います。
レフリーのグラッドリッジさんも必死に自分の弁明に励みます。ゴング後にはっきり両選手を止められなかったのですから、そりゃ一応焦りますよね。
でもあんなの誰も止められません。
だから、普通に堂々としとけばいいものを、なんか「あれは抱え込むリゴンドーを注意しにまずは入ったんだ」という感じの話(スロー再生でも確かにそれを意図した行動はあった)を伝え始めるから、自分は悪くないって言い訳しているように見えてしまいました。
ベテランなレフリーなだけあって、ボクはちょっとショックでした。
リゴンドー選手は、数少ない試合の中で試合内容がまともですら無くなってきました。
ボクは技巧派見るのめっちゃ勉強になるんでもっと試合してほしいんですけどね。大丈夫かな。。
以上。
何度も言いますが、2017年のボクシングは最高のカードが出そろっているわけですが、
この試合はどうなるんでしょうか笑。
気になるのが放送のことです。
なんか、8/27は普通に亀海VSコットみたいに宣伝してましたけど、やっぱまともなボクシングゲームじゃないと放送しないのかな。関係者の方が嫌がるからかな。
WOWOWで「エキサイトマッチ」と「UFC」の解説者がコラボするという光景を見て見たかったのですが。。
やっぱ厳しそ。。
ではでは。