階級を感じる。/ボクシング感想(ロマチェンコVSペドラサ、ドグボエVSナバレッテ)
日本時間12/9(日)にニューヨークで開催された注目の2試合の感想です。
ワシル・ロマチェンコ VS ホセ・ペドラサ
(引用元:Vasiliy Lomachenko punches Jose Pedraza during their WBA/WBO... ニュース写真 | Getty Images)
◯結果
・「ロマチェンコ判定勝利」3−0(117−109 ×2、119−107 ×1)
・インディー採点「ロマチェンコ判定勝利」
※差を感じたので途中から採点するのをやめました。。笑
11Rに2度のダウンを奪ったものの判定まで長引き勝利しました。
まあ、ロマチェンコ選手の圧勝でしたね。いつも通り。
ただ、いろんな人が感じているように、超・圧勝ではなかったなぁと僕も思いました。
一時期、Sフェザー級時代に、相手の戦意を喪失させて棄権に追い込む「ロマチェンコ勝ち」のノーマスチェンコさんはみられなくなったということです。
前回のリナレス戦で、ライト級に階級をあげてからそうなってきました。
要するに、階級の壁にぶち当たってきたってことです。(それでも圧勝していることには変わりないんですが。。)
それによって生じた影響の一番は、相手の耐久性が上がったことだと思います。
ロマチェンコ選手、確かにライト級2戦目の今回はパンチ力が上がったように思いましたが、11Rのように本気を出してラッシュをかけなければペドラサ選手を倒すことはできませんでした。
それまでは、あれだけのパンチ数を被弾していたにも関わらず耐えることができていました。
前回のリナレス戦でも、リナレス選手は最後にピンポイントにレバーにもらうまでは、戦意に満ち溢れていました。
階級を上げてたった2戦しかしていないのでまだわかりませんが、今後はSフェザー級時代のように戦意喪失させるようなことは起こらないかもしれません。
テクニックで判定に持ち込むのが無難でしょう。
・完全に玄人向け
もしそうなった場合は、ずーっとロマチェンコ選手の華麗な技術をみることになります。
それに酔いしれる人が多くいるのも事実ですが、それではメイウェザーやパッキャオ選手、カネロ選手などのスーパースターにはなれない気がしています。
というのも、スーパースターは「KOパンチャーであること」「バチバチに打ち合えること」「エンターテイナー(口が上手い。独特な戦い方。)であること」という風にジャンル分けできると僕は思っているのですが、ロマチェンコ選手はそのいずれにも当てはまらないからです。
KO狙いの選手では無いですし、強すぎて打ち合いにもなりませんし、トラッシュトークで盛り上げたりハメドのような華やかさもありません。
華麗な戦い方ではありますが、あれは完全に玄人ウケする技です。ハメドぐらい派手でわかりやすくないともっと多くの人を魅了できません。
カネロなんかはわかりやすく試合で魅せてくれますし、メイウェザーも試合は盛り上がりにかけますが試合までに演出として盛り上げてくれました。
今後、ロマチェンコ選手がそのクラスの人気を得ようと思うと、メイウェザー選手のようにエンターテイメントとして盛り上げてあげるべきではないでしょうか。ボクシングのスタイルは変えない方が楽に勝ち続けられるはずなので。
まあ、今のままで十分すごいので、無理してスーパースターにならなくてもいいといえばそれまでですけどね笑。
ロマチェンコ選手も階級上げて、特に戦う人気選手もいなくなり、今回みたいに「一応見るか」的な感覚が続きそうな気がしたので、今後をちょっと想像してみたってだけです。
アイザック・ドグボエ VS エマニュエル・ナバレッテ
(引用元:Emanuel Navarrete punches Isaac Dogboe during their WBO junior... ニュース写真 | Getty Images)
◯結果
・「ナバレッテ判定勝利」3−0(116−112 ×2、115−113 ×1)
・インディー採点「ナバレッテ判定勝利(115−113)」
最近、注目されているというドグボエ選手。
Sバンタム級なのに身長は160㎝に満たないという、超筋肉マンです。その通り、ボクシングスタイルもインファイターです。
正直、あまり注目している選手ではなかったのですが、YouTubeなどを見返すと、踏み込みが早く、パンチを振り回し、左のパンチが力強いといった印象を持ちました。
しかし今回、その注目の選手が敗れました。
得意な接近戦で打ち合って負ける、というかなりきつい負け方を喫しました。
どんな強さなんだろうと思って見ていただけにちょっと残念でしたが、ナバレッテ選手という選手を覚えられたのである意味よかったです。
この試合のポイントとなったのは、1Rの後半にナバレッテ選手が攻め返したところでしょう。
それ以降、ずっとナバレッテ選手は打ち合いでも対応できることを覚え、6R以降はパンチを見切ったことから余裕を持った戦いを展開し、油断した場面はあったものの最後まで試合をコントロールしました。
ドグボエ選手が輝いたのは、1Rの序盤、9Rに相手をスリップさせたオーバーハンドの場面だけでした。
自分より身長高い選手にアウトボクシングされるのもいやですが、攻めてこられるのも十分やりづらいです。結局自分のパンチが当たる距離は相手も当たる距離ですから。
ドグボエ選手はやっとその限界にやられたのだと思います。調子の良し悪しはわかりません知りません。
やはり身長差ってかなり影響あると僕は思っているので、ドグボエ選手は階級を下げた方が良いと思いました。
だから、160㎝前半のリゴンドー選手やフランプトン選手がSバンタム級以上で戦っていることには超すごさを感じるのです。
それでいうと、井上尚弥選手も同じような状況ですね。WBSSでテテ選手かドネア選手といった大きい選手を倒して、もっともっとすごい選手になってほしいなって思います!
以上。
しかし、階級差の話をするといつも「パッキャオってやっぱりめちゃすげーかったんだ!」って思わされちゃいます。。
その時をリアルタイムで見たかったなー。
ではでは。